暫くの間、二人の間に沈黙が流れた。


つい本心を零してしまったオリヴィアにとって、その沈黙は居心地が悪く、後悔していた。


ヒューイの反応が怖くて、話を逸らしてしまおうかとも思った。


だが考えれば考えるほど、他の話題が浮かばない。


シャロンとキースといる時は、次から次へと口から言葉が零れていたが、今はそんなに話が出来る相手もいないため、自分がどんな風にベラベラと話をしていたかも忘れてしまった。



「何を気にする必要があるのか僕には分からないな。 みんなと君は違うよ」

「それは、そうかもしれないけど……」



ヒューイの淡白な物言いに、オリヴィアは顔を俯かせた。


胸に小さな針が刺さった様な、そんな感覚がした。


それは自分でも理解しているからこそかもしれない。


頭で分かっていても、心がついていくほどできた人間ではない。



「オリー、僕は君の笑顔も素敵だと思うよ」

「え……?」



オリヴィアは顔を上げ、ヒューイの顔を見つめた。


ヒューイは目尻を下げ、口角を上げた。



「っというか、大好きだよ」



ヒューイの言葉に全身がカッと熱くなり、オリヴィアはヒューイをキッと睨み付けた。


それが照れ隠しだと分かっているヒューイは、オリヴィアに愛おしそうな視線を注いでいた。


ヒューイの視線に耐えられなくなったオリヴィアは、プイッと顔を背けた。


するとヒューイはしてやったりと言わんばかりに、足をバタつかせお腹を抱えて笑った。