† Lの呪縛 †

カーティスが付き合う女性はいつも既婚者だ。


未婚の女性は両親や従者の目が厳しく光っており、周りからの圧力が凄く、ガードが硬い。


その為未婚の女性と影でこそこそ会うのは皆無に等しい。


未婚の女性と付き合うには婚約を結ぶか、結婚を前提にお付き合いしなければならない。


それに比べ既婚の女性であれば、周りのガードが緩く、人目を盗んで会いやすい。


だが暴露ると厄介であり、周りからの評判も悪くなる。


特に女性は世間から強い批判にあい、日の出ている時間帯に外を歩く事も出来なくなるだろう。


だから女性が本気になりつつあると感じれば、カーティスは躊躇する事なく別れを切り出した。


それは女性の為ではなく自分の為だ。


別れを切り出された女性は泣いて縋る。


泣こうが喚こうがカーティスは笑みを崩さない。


微笑みながら、暴露たらどうなるかという事を耳元で優しく囁く。


そして最後に最も甘い声で囁く、『もっと早くに出逢いたかった』と。



「俺は本気だよ。 まさか自分が一目惚れを体験する事になるとは、夢にも思ってなかったよ」



カーティスの言葉に、更に目を泳がせ戸惑うオリヴィア。