† Ｌの呪縛 †

オリヴィアは視線を逸らし、一歩後ろに下がり距離をおいた。



「あはは！！ カーティスの色気もオリヴィアには通用しないみたいね」



カーティスは大袈裟に両手を上げ、フッと鼻で笑った。


そしてオリヴィアと向き合うと腰を屈め、手をすくい上げ手の甲に唇を落とした。


オリヴィアはギョッとしたが、固まったままどうする事も出来なかった。



「なっ……人の話聞いてた！？ 手を出したら許さないって言ったのよ！？」



キティの言葉には耳を傾けず、腰を屈めたままオリヴィアを見上げた。



「改めて、俺はカーティス・ダレル。 君には、俺の事を一人の男として見て欲しい」



男性とキティは耳を疑った。


目を点にし驚き、唖然となっている。


オリヴィアはカーティスの言葉を理解したのか、一気に顔を真っ赤に染めた。



「あ、あの……でも……」

「もう婚約者がいる？ それとも好きな男？」



オリヴィアがぎこちなく首を横に振ると、カーティスは嬉しそうに笑みを零した。



「カーティス、軽い気持ちじゃないわよね？」

「そう見えるかい？」



キティと男性は顔を合わ、肩を上げ首を傾げた。


突然の出来事にオリヴィアは戸惑っている。


カーティスは色男で、好みの女性がいれば躊躇する事なく口説き、口説かれた女性は皆拒む事なく喜んで受け入れた。


だがどの女性とも長くは続かなかった。


いつもカーティスが本気ではなかった事も原因の一つだが、根本的な原因は他にある。