† Lの呪縛 †

オリヴィアは顔を俯かせた。


悲しみを含んだ顔のまま目を細め、一点を凝らして見た。


ゆっくりと腰を曲げ、両膝を着き、両手で何かをすくい上げた。


オリヴィアの手の中には目を閉じ、ピクリとも動かない雛鳥。


雛鳥は目を開ける事も、くちばしを開く事もしない。


ー死んでる……。ー



巣から落ち、誰からも気付かれる事なく死んだんだと思うと、胸が締め付けられた。



「大丈夫?」



背後から知らない男の声がし、咄嗟に身構えた。


ゆっくりとオトコが近づいてくる。


オリヴィアは唾を飲み、喉を動かした。



「具合でも悪いのか?」



堂々とした口ぶりだが、心配している様子にほんの少し緊張が和らぎ、オリヴィアはゆっくりと首を後ろへ回した。


オリヴィアの視線の先には、やはり見たことのない男性が立っていた。


堂々とした風貌に、美しい容姿をした男性。



「怪我したのか?」



男性はオリヴィアのすぐ隣に膝を下ろし、顔を覗き込んだ。


オリヴィアは顔を赤く染め、顔を逸らした。



「い、いえ……大丈夫です」