† Lの呪縛 †

目を見張るほどの美しい少女はまだあどけなさがあり、シンシアは笑みを零した。


そして、隣で穏やかな表情を浮かべるクレアを見て、心の底からホッとした。


オリヴィアを養子に迎えるまでの数ヶ月間、クレアは笑顔を失い塞ぎ込んでいた。


そのクレアが、今はこんなにも楽しそうな笑みを零している。



「ノエルが過保護になる気持ちが、オリヴィアに会って少し分かった気がするわ」

「私には何も言わないけれど、ずっと妹か弟が欲しかったんだと思うの。 念願の妹……それも過保護になっている理由かもしれないわ」



クレアは自嘲する様な笑みを浮かべ、紅茶の入ったティーカップに口をつけた。


子供達は母親たちの会話など聞いておらず、二人で話し込んでいる。


話し込んでいるというよりも、キティが一方的に話をしている。



「オリヴィアがお嫁にいくとなれば、ダグラスよりもノエルが反対するんじゃなくて?」



シンシアは少し声のトーンを上げ、明るい口調で話を続けた。



「その前にノエルが結婚して落ち着くでしょうから、大丈夫じゃないかしら」



クレアは笑って答えてはいるが、結婚の事よりも、今はオリヴィアの体の事で頭がいっぱいだった。