† Lの呪縛 †

オリヴィアはキティに手を引かれ、促されるまま椅子に腰掛けた。


まだ来たばかりだというのに、オリヴィアは一人ぐったりしている。


キティはその様子を見て、やってしまったと顔をハッとさせると、シュンっとなりオリヴィアの隣の椅子に腰掛けた。



「オリヴィア、ごめんなさい……」



落ち込んだ顔をするキティに、オリヴィアは慌てて手と首を横に振った。



「あ、謝らないでっ……あの、その……ありがとう」



恥ずかしい時は、やはり語尾が小さくなってしまう。


キティは耳まで赤くしたオリヴィアの顔を、キョトンとした顔で見つめた。



「凄く緊張してたから、う、嬉しかった」



どもりながらも一生懸命気持ちを伝えるオリヴィア。


化け物と罵られていた過去は消えないし、その時の恐怖も消えない。


人を信じる事に臆病になっているが、親身になってそばに居てくれるクレアやノエルが信頼している人達だから、自分も信じられる様に努めたかった。



「オリヴィア大好きっ!!」



ガバッとキティに抱きつかれ、体をガチガチに固めるオリヴィア。


同性ではあるが、慣れない事に心臓がばくばくと大きく騒ぎ始める。