† Lの呪縛 †

馬車が止まり、クレアと共に馬車を降りたオリヴィアは、レッドフォード伯爵家とはまた違ったデザインの、広々とした庭を見渡し、その美しさに感激した。


自然な草木や花も大好きだが、こうして見事に整えられた、芸術とも呼べる草木や花も心癒してくれるから大好きだ。



「いらっしゃい」



声のする方へ顔を向けると、深い緑色のドレスを着た貴婦人が階段上のテラスから顔を覗かせ、クレアたちに微笑んでいた。



「クレアおば様、いらっしゃいませ!!」



ドレスを持ち上げ急いで階段を駆け下りてきた少女が、勢いよくクレアに抱き付いた。



「キティ、はしたないでしょう」

「だってお母様、クレアおば様に久しぶりにお会いできてとっても嬉しいんですもの!!」



キティの素直で真っ直ぐな笑顔は、オリヴィアにはとても眩しく見えた。



「私も会えて嬉しいわ」



クレアがキティのしなやかで女性らしい体を抱きしめ返した。


キティは嬉しそうに頬を緩めると、直ぐ側に立っているオリヴィアを見て目を輝かせ、更に嬉しそうな顔をした。