† Lの呪縛 †

オリヴィアは目覚めた時、既にレッドフォード伯爵家にいた。


レッドフォード伯爵家に来てから初めての外出に、不安と期待を募らせ馬車の中から食いつく様に外を眺めている。


馬車に乗るのも初めてで、落ち着かない気持ちではあったが、少しだけワクワクしていた。


レッドフォード伯爵家のカントリーハウスからホプキンス伯爵家への道のりは、のどかでゆったりとした風景が広がっている。



「たまには外に出てみるのもいいものでしょう?」



オリヴィアはクレアの笑みを含んだ言葉にハッとなり、顔を赤くして俯いた。


嫌々連れ出してしまったのでは……と、心配していたのだが、想像以上のはしゃぎっぷりに、クレアは安心していた。


もっと早く外に連れだしてあげれば良かったとさえ思った。



「これからもっと色んなところに出かけましょうね」

「……いいの?」



控え目で遠慮がちな声に、クレアは微笑んで見せた。



「オペラやパーティー、それにオーケストラのコンサート、たくさん一緒に行きたいところがあるの。 オリヴィアが嫌でなければ付き合ってもらえないかしら?」

「嫌なわけない!! 私も一緒に行きたい……」



語尾が段々と弱くなるオリヴィアの恥らう姿が愛らしくて堪らなかった。