オリヴィアの涙は止まり、浅かった呼吸も少しずつ戻っていった。
ダグラスがオリヴィアの背中をポンポンと優しく叩き離れようとすると、オリヴィアは駄々をこねる様に、イヤイヤと首をふった。
初めて覚えた感覚が心地よくて、まだその心地よさを感じていたかった。
離れてしまえば、また底知れぬ不安に駆られる気がした。
「オリヴィア、それではお父様とお話が出来ないだろう? さぁ、僕のところへおいで」
ノエルは腕を差し伸べオリヴィアが自分の胸に飛び込んでくるのを待ち構えて居る。
早く自分の胸に閉じ込めてしまいたかった。
オリヴィアはダグラスの首に腕を回したまま体を少し離し、上目遣いでダグラスの顔を見つめた。
「……このままがいい……駄目?」
ダグラスは息を呑んだ。
あまりの妖艶さに、娘と父という関係を忘れ、今にもまた泣き出してしまいそうな顔を両手で包み上げ、愛らしい唇を塞いでしまいそうになった。
恐ろしさを覚えた。
オリヴィア自身、そして自分自身に。
ダグラスは務めて冷静さを装い、オリヴィアの前髪をなぞり、そのまま指を滑らせ耳に髪の毛をかけた。
ダグラスがオリヴィアの背中をポンポンと優しく叩き離れようとすると、オリヴィアは駄々をこねる様に、イヤイヤと首をふった。
初めて覚えた感覚が心地よくて、まだその心地よさを感じていたかった。
離れてしまえば、また底知れぬ不安に駆られる気がした。
「オリヴィア、それではお父様とお話が出来ないだろう? さぁ、僕のところへおいで」
ノエルは腕を差し伸べオリヴィアが自分の胸に飛び込んでくるのを待ち構えて居る。
早く自分の胸に閉じ込めてしまいたかった。
オリヴィアはダグラスの首に腕を回したまま体を少し離し、上目遣いでダグラスの顔を見つめた。
「……このままがいい……駄目?」
ダグラスは息を呑んだ。
あまりの妖艶さに、娘と父という関係を忘れ、今にもまた泣き出してしまいそうな顔を両手で包み上げ、愛らしい唇を塞いでしまいそうになった。
恐ろしさを覚えた。
オリヴィア自身、そして自分自身に。
ダグラスは務めて冷静さを装い、オリヴィアの前髪をなぞり、そのまま指を滑らせ耳に髪の毛をかけた。



