† Lの呪縛 †

ライラは自分の足枷の鍵穴にピンを差し込み、小刻みに指を動かし始めた。


薄暗い中、オリヴィアは目を細めライラの手元を見つめた。


カチャカチャと小さな音が漏れる。


ライラがしようとしていることが分かり、ただ願った。


上手くいきますように……と。


ただ願い、見守ることしか出来なかった。


ガチャっと少し大きな音がした後、ライラの足枷が外れた。


パッと顔を上げると、喜びに満ちた顔を見合わせた。



「凄い! 凄いよライラ!!」

「器用でしょ?」



指先で摘んだピンを掲げ、得意げな表情を浮かべるライラ。



「次はオリヴィアの番だよ」



言われる通りに足枷の付いた足首を出すと、ライラの顔がグッと近づいた。


先ほどと同じように願いながらライラの手元を見つめた。


握る掌には汗が滲む。


無事に足枷が外れ、2人で喜び合った。


すると周りの人たちも2人の足枷が外れていることに気が付き、「私のも!」「俺のも!」と凄まじい勢いで近寄ってきた。


圧倒され後ずさりながらも、ライラは「じゅ、順番よ!」と言ってみんなを必死に宥めた。


ライラが作業に取り掛かろうとしたその時、勢いよく煙が流れてきた。


牢の中がパニックになる。


どんどん煙は溢れ、視界が更に悪くなっていく。


オリヴィアはポケットに入れていたハンカチで鼻と口を覆い、辺りを見渡した。


助かる方法を探そうとするが、どうすればいいのか分からなかった。


そんな中、突然腕を引っ張られ驚いた。



「行こう!!」

「い、行くってどこへ!?」

「今何かが開くような音がした! 牢屋の扉が開いたのかも!!」



オリヴィアはライラに手を引かれるがまま立ち上がり、自由になった足で牢の外を目指した。