† Lの呪縛 †

アレンの言葉を頭の中で何度も繰り返し、考えているオリヴィア。


その視線の先には一ミリたりとも表情を変えないシドの姿がある。


相変わらず綺麗に着飾った令嬢に囲まれている。


オリヴィアは肩に触れられ、振り返った。



「ごめん、オリヴィア。 はい、お腹空いてるだろ?」

「ありがとう」



オリヴィアはノエルからお皿を受け取った。


食事を口にしたオリヴィアの頬が綻んだ。



「美味しい」

「お姫様のお口に合った様で良かった」



おどけた口調のノエル。


こんなに砕けた姿を見せるのは家族にだけだろう。



「もう大丈夫なの?」

「あぁ、失礼のない様に丁重にお断りしたよ」

「ノエルお兄様はモテるから大変だね」

「それを言うならオリヴィアの方だろう? それより、何やらアレンと楽しそうに話していた様だけど、どんな話をしていたんだい?」



先ほどのアレンとの会話が蘇る。


少しも楽しい話はしていないが、ノエルにはそう見えていたのかとオリヴィアは不思議に思った。



「こういうパーティーは疲れるねって話をしていただけだよ。 キティが来ていればアレンは楽しめたのにね……本当に残念だわ」



シドとの婚約の話しはできなかった。


してしまえば、また以前の様に冷たい態度を取られてしまうかもしれないと思ったからだ。