† Lの呪縛 †

アレンはわざとらしく溜息を吐いた。


ついさっきノエルに嫉妬していたシドの事を思うと、少なからずシドに同情を覚えた。



「俺の両親はお前と兄を婚約させようとしているぞ」

「婚約!?」



驚きのあまり大きな声を出してしまったオリヴィアは慌てて手で口を覆った。


瞳には困惑の色が浮かぶ。



「驚いた。 本当に兄の事をそういう風に見ているわけじゃないんだな」

「シドの事は好きだけど、それは家族としてよ!」

「家族? まだ出会ったばかりなのに?」



オリヴィアは口を滑らせてしまった事にハッとした。


目を泳がせ、つい挙動不審になる。



「だから、そのっ、出会って直ぐでもそんな風に感じたって事よ!」

「へぇー、そう」



疑いの眼差しを向けながらも、アレンはそれどころじゃなかった。


オリヴィアの気持ちを聞いて安堵している自分に気が付いたからだ。



「俺の両親にはそんな風に話すなよ」

「どうして?」

「どういう好きだろうと、好意を抱いているならくっつけようとしている。 今言った事を口走ってみろ、婚約から結婚までとんとん拍子に話が進むぞ」

「……話してくれてありがとう」



耐え切れなくなったアレンは、思わず緩んでしまう口元を隠しながらオリヴィアから離れていった。