† Lの呪縛 †

楽しい雰囲気が少しずつ重い雰囲気へと変わっていく。


両家当主はいつになく真剣な面持ちだ。


ダグラスもクレアもオリヴィアがシドとの将来を望むならそうしてあげたいと思っている。


しかしオリヴィアの体質を考えると、もしシドと一緒になりたいと言ったとしても、そう簡単には首を縦に振る事は出来ない。


それにダグラスはノエルの想いを知っている。


やはり我が子が一番可愛い訳で、事情もよく知っているノエルがオリヴィアと一緒になれれば上手く治まるのではと思っている。



「この件に関してシドとは話をしているのか?」

「話をしなくともあの子の態度を見ていれば明らかじゃないか」

「私たちはオリヴィアと話をする。 そちらも一度シドと話をしてみてくれ」

「……そうだな、分かった。 シドと話をしてみよう」



我が子ではあるが、アレンと違い気難しく人と距離をおいているシド。


両親とてシドにとっては他人同様。


普段から意志疎通のとれていないエドガーにとって、シドと話をするのは今からとても気の重い事だった。