† Lの呪縛 †

シドは繋がれていない手でオリヴィアの頬を撫で、クスッと口元を緩めた。



「顔が赤くなってる」

「そ、そんな事ないと思うっ」

「可愛い、オリー」



その言葉にボッと火を吹く様に真っ赤に反応するオリヴィア。


キティは二人の様子を目を輝かせて見守っている。


ノエルは無表情で二人を見つめ、カーティスは二人を見て肩を落とした。



「エドガー、ヴァネッサ、私たちはそろそろしつれいするよ」

「なんだ、もう帰るのか?」

「あぁ、また来るよ」



オリヴィアはシドの手をギュッと握った。


シドの手が離れると、オリヴィアは今にも泣いてしまいそうな不安な顔でシドを見上げた。


シドはオリヴィアの顔を品やかな手で包み込み、優しい顔を見せた。



「直ぐに会いに行く。 だからそんな顔するな」

「本当に? 直ぐっていつ?」

「オリーが望むなら毎日でも会いに行く」



二人の甘い雰囲気に、誰も割って入る事が出来なかった。



「ありがとう。 でも、シドが大変だからそんなワガママ言わない。 お手紙書くね?」

「それは残念。 でも手紙楽しみにしてる。 俺も書くよ」

「約束ねっ」

「あぁ、約束だ。 今日は疲れただろうから、帰ったら直ぐにお休み」