† Ｌの呪縛 †

ノエルがオリヴィアの手を取ろうとすると、シドがすかさずオリヴィアの手を握った。


ノエルの眉がピクリと動く。



「キ……シ、シド？」

「俺も一緒に行く」



戸惑っていたオリヴィアだが、シドの笑顔につられて笑みを零した。


シドはオリヴィアから視線を外すと、ノエルに目を向けいつもの様に冷たい視線をぶつけた。


二人の後ろ姿を歯を食いしばりながら見つめ、ノエルも皆の居る所へと戻った。



「初めてのダンスはどうだった？」



ダグラスに訪ねられ、オリヴィアは満面の笑みを浮かべた。


パーっと花が咲いた様な笑みに、周りの者たちは皆目を奪われた。


その事にオリヴィアは気が付いていない。



「緊張したけど、とっても楽しかった！ シドがリードしてくれたおかげっ！」

「俺も楽しかったよ」



シドの穏やかな表情に、まだ皆慣れず、内心戸惑っていた。


アレンの視線は、オリヴィアとシドの繋がった手元に注がれている。



「とっても素敵だったわ！！ オリヴィアとシドお兄様は美男美女でとってもお似合いのカップルね！！」



興奮して喋るキティ。


オリヴィアの顔が段々と赤みを帯びてくる。