† Lの呪縛 †

オリヴィアを抱き上げ、今度はシドがオリヴィアの顔を見上げた。



「益々綺麗になっていて驚いた。 なぁ、俺の大好きなオリーの笑顔を見せてくれないか?」



オリヴィアが目を細めると、大きな粒が頬を伝いこぼれ落ちた。



「オリーは泣いてる顔も綺麗だ」



シドが満面の笑みを浮かべると、オリヴィアはシドの首に腕を回し、首元に顔を埋めた。


その瞬間ダンスホールの中はワッと驚きの声が上がった。


シドはオリヴィアを抱きしめたままクルッと身体を回し、抱きしめる腕にぎゅっと力を込めた。



「キャー!! 見て!! ねぇ! アレン見てる!?」



アレンの袖をグイグイ引っ張り、キティはオリヴィアとシドの様子を興奮しながら見ていた。


キティやクレア、ヴァネッサは驚きながらも嬉しそうな声を漏らしているが、男たちは違った。


皆唖然とし、未だに目を疑っている。


上手く理解出来ない状態だった。


ダンスの音楽が止み、シドとオリヴィアは手を繋いで笑い合いながら外が見える窓際へと移動した。


遠巻きに見られているが、二人は少しも気にしていなかった。