† Lの呪縛 †

ーコンコンコン。



「誰だ」

「入るぞ」



中からの許可を得る事なく、ネヴィルはドアを開き部屋の中へ足を踏み入れた。


それぞれ椅子に座らされ、身体を背凭れに紐で縛り付けられているジュリアンナとエリオット。


二人はネヴィルの顔を見た途端、身体を震わせた。



「オリヴィアは?」

「部屋でグッスリ眠っている」

「そうか」



ネヴィルはダグラスの座る面長なソファーに腰を下ろした。


背凭れに腕を掛け、足を組み気だるそうにしながらも、視線は鋭く二人をさしている。



「オリヴィアを連れて来た子供は帰らせた」

「まさかアレンに目撃されるとはな……口止めはしたか?」

「それはそっちの仕事だろう」

「……まぁいい。 後日話をつけるとしよう」



エリオットとジュリアンナの怯え様とは裏腹に、ダグラスはいつも通りだった。


いつも通りどころか妙に静かな雰囲気で、今までそんなダグラスを見た事がないエリオットは、恐怖のあまり全身冷や汗をかいている。



「エリオット、私はお前の事を大切な弟だと思っているよ。 だが、お前には伝わらなかったようだ」

「っ……」



ダグラスは傷付いた顔をしながらも、その目は冷めていた。


そんなダグラスの隣では、殺気を放っているネヴィルが変わらず二人を睨み付けている。