† Lの呪縛 †

「俺も一緒に行く」



ネヴィルは口角を上げたまま、眉をピクリと動かした。



「子供は帰って早く寝たらどうだ」

「俺はもう十六だ。 子供ではない」



意地になるアレンを目を細め見下ろした。


既に笑みは消え、凍りつく様な表情にアレンは内心戸惑った。



「歳など関係ない。 お前は私からみれば子供どころか赤子でしかないのだから」



ネヴィルがオリヴィアに手を伸ばし、アレンはキッと睨み付けた。



「本当に信用していいんだな?」

「クドイ。 何故お前はそこまでその子を守ろうとする」

「…………」



アレンは答えられなかった。


自分でもその答えが分からなかったからだ。


アレンの腕の中にいるオリヴィアを自分の腕で抱き上げ、ネヴィルは鍵を使って門の中へと姿を消した。


アレンはその場に固まったまま暫く動く事が出来なかった。


掌を見つめ、拳をつくりグッと力を入れる。


何度頭を振ろうと、手から目を逸らそうと、オリヴィアに触れた感覚が消える事はなかった。


それどころか、オリヴィアの顔や声……見たもの聞いたもの全てが脳裏に焼き付いていた。