レッドフォード伯爵家の近くで馬車を止め、アレンはオリヴィアを大事に抱え外に出た。
「お前はここにいろ」
ついてこようとする執事を制し、大きな門の前で足を止めた。
当然ながら門には鍵が掛かっており、どうしたものかと頭を抱えた。
「後は私が引き受けよう」
背後からの突然の声にアレンは勢いよく振り返り、警戒心剥き出しで相手を睨み付けた。
「そう警戒なさらないでもらいたい。 私はただ、レッドフォード伯爵にオリヴィアを迎えに行くよう頼まれただけだ」
「何者だ」
「レッドフォード伯爵の“親しき知人”とでも言っておこう」
ネヴィルが一歩足を進めると、アレンは一歩足を後退させた。
そのうち門にぶち当たり、アレンはオリヴィアを抱きしめる腕に力を込めた。
「お前は彼奴らの仲間ではないのか」
「彼奴ら、とは?」
努めて笑みを崩さないネヴィルの胸の内は、怒りに満ち溢れていた。
その怒りは中々オリヴィアを渡そうとしないアレンに向けられたものではない。
別の者に向けられたものだ。
「そんなに心配なら、私が門の中へ入るのを見届ければいいだろう」
ネヴィルはズボンのポケットから鍵を取り出し、アレンに見せつける様に振ってみせた。
「お前はここにいろ」
ついてこようとする執事を制し、大きな門の前で足を止めた。
当然ながら門には鍵が掛かっており、どうしたものかと頭を抱えた。
「後は私が引き受けよう」
背後からの突然の声にアレンは勢いよく振り返り、警戒心剥き出しで相手を睨み付けた。
「そう警戒なさらないでもらいたい。 私はただ、レッドフォード伯爵にオリヴィアを迎えに行くよう頼まれただけだ」
「何者だ」
「レッドフォード伯爵の“親しき知人”とでも言っておこう」
ネヴィルが一歩足を進めると、アレンは一歩足を後退させた。
そのうち門にぶち当たり、アレンはオリヴィアを抱きしめる腕に力を込めた。
「お前は彼奴らの仲間ではないのか」
「彼奴ら、とは?」
努めて笑みを崩さないネヴィルの胸の内は、怒りに満ち溢れていた。
その怒りは中々オリヴィアを渡そうとしないアレンに向けられたものではない。
別の者に向けられたものだ。
「そんなに心配なら、私が門の中へ入るのを見届ければいいだろう」
ネヴィルはズボンのポケットから鍵を取り出し、アレンに見せつける様に振ってみせた。



