† Lの呪縛 †

ジリジリとオリヴィアに歩み寄るエリオット。


オリヴィアは後ろに下がっているつもりだろうが、震える足はまともに動いていない。



「っ……いや!! 離してっ!!」



エリオットに腕を掴まれたオリヴィアは咄嗟に叫んだ。


だが薄暗い路地裏に並ぶ家から誰かが出て来る事はなかった。



「しー……何も怖がる事はないよ」



エリオットに耳元で囁かれ、オリヴィアの背筋はゾッと凍りついた。



逃げたしたいのに、手を振りほどく事が出来ない程に身体が固まりいう事を聞かない。



「失礼するわね」



ジュリアンナはオリヴィアに近付くと、オリヴィアの髪を結んでいるリボンを解き、惨殺された娼婦がいる部屋へと投げ込んだ。



「これで貴女が居なくなっても、私たちを疑うものは誰一人としていないはず。 貴族の娘が好奇心に駆られ、勝手に夜中抜け出して事件に巻き込まれたと思われるでしょうね」

「っ、そんなはず無い!! ノエルお兄様っ、お父様にお母様が絶対真実を突き止めてくれるわ!!」

「なぜそんな事が言い切れるのかしら? 貴女は本当の……血が繋がった子供ではないのでしょう? いなくなった方が皆様肩の荷が下りて安心されるかもしれませんよ?」



ジュリアンナの言葉は、オリヴィアの胸に深く突き刺さった。


助けがくるとは思えないこの状況でのジュリアンナの言葉は、何よりも残酷だった。