† Lの呪縛 †

不安な表情を浮かべるオリヴィアを、ジュリアンナは横目で観察していた。


獲物を品定めする様に目を光らせている。


オリヴィアの白くて細い喉元をかっ切ってしまいたい衝動に駆られる。


普段よりも唾液の量が増え、欲望を飲み込む様に喉を必要以上に動かしている。



「着きましたわ」

「え……ここ、ですか?」

「えぇ」



オリヴィアには、にっこり微笑むジュリアンナの顔が不気味でしょうがなかった。


お世辞にも綺麗とは言えない路地、そして建ち並ぶ古びた家。


その古びた一軒の前で立ち止まったジュリアンナは、オリヴィアに中に入る様に促している。


怪訝そうな顔をするオリヴィア。


そんな顔をするのは予想どうりだとでも言わんばかりに、ジュリアンナは余裕の笑みを浮かべ、その笑みを崩さなかった。



「中でエリオットが待ってますわ」



オリヴィアは恐る恐るドアに近付き、ドアを開けた。


ドアを開けた瞬間、生臭い臭いに襲われ、咄嗟に手で鼻を押さえた。



「やぁ、オリヴィア。 遅かったね」



ランプを手に取り灯りに照らされたエリオットの顔を見て、オリヴィアは固まった。