† Lの呪縛 †

オリヴィアがギュッと目を瞑っている最中、ヒューイは木の枝に足を乗せ、軽快に地面に着地した。


ヒューイはうごきを止めたが、オリヴィアは目を開けない。


ジッとヒューイの言葉を待っている。



「何処まで行くの? このまま送っていくよ」

「裏門のところに迎えが来てるの」

「じゃあそこまで送る」

「ヒューイ……」

「嫌だって言っても送るから」

「ち、違うの。 目を開けてもいい?」



ヒューイはあぁ!と思い「いいよ」と言った。


オリヴィアは目を開けた途端、ヒューイの首に回していた腕をパッと離した。


顔を赤く染め、目を泳がせている。



「どうしたの?」

「ど、どうもしないよ!!」

「あはは、そんなに大声だしたら気付かれちゃうよ?」



オリヴィアは手で口元を抑え、首を引っ込めた。


お姫様抱っこされているということよりも、目を開けた瞬間、直ぐ目の前にヒューイの顔があった事に恥ずかしさを覚えた。


今もそのドキドキは治まらない。


それと同時に心地よさもある。


ヒューイが歩く度に揺れる体。


まるで揺り籠の中にいる様だった。