† Lの呪縛 †

ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー



夜も更け、皆が寝静まった頃、オリヴィアは部屋で足音を立てないよう動き回っている。


動きやすいように膝丈のワンピース、ヒールの低い編み上げブーツを着用し、その上からコートを羽織ると腰紐をリボン結びにした。


ベッド脇の引き出しの取っ手に手を掛け、中に入れているメッセージカードを手にとった。


“実は身体の事で分かった事があるんだ。 兄さん達に話すよりも、先ずは当事者である君に話がしたい。 11月9日の夜、皆が寝静まった後屋敷の裏門にて馬車を用意して待っているよ。”


このメッセージカード何度も読み直した。


恐怖に支配されてしまいそうになりながら、誰にも相談する事は出来なかった。


オリヴィアはベッド下に隠していた紐を手に取り、ギュッと握りしめ、意を決する様にバルコニーのドアを開けた。


手すりに紐を結びつける。


結び目が解けないかどうか、何度も紐を引っ張り確認した。



「こんな時間に何処に行くの?」



突然の背後からの声に、オリヴィアの身体は強張った。