† Lの呪縛 †

暫く談笑していると、オリヴィアの緊張も解けてきたのか、自然な笑みを零す様になった。


ブルーベリージャムをつけたスコーンを、ふっくらした唇を動かし美味しそうに食べている。


ノエルが笑いを堪えながら、オリヴィアの唇の端を親指の腹で拭う。


拭ったジャムを口元に運ぶと、オリヴィアの顔がボッと赤くなった。



「照れてるの?」

「て、照れてなんかないよ」

「ははっ、本当に可愛いんだから」



ノエルがオリヴィアの事を可愛がっているのは、初めて会ったジュリアンナにも明白だった。


ノエルだけじゃない。


ダグラスとクレアからも大きな愛情を注がれているのだと感じた。


自分もオリヴィアの様に美しかったら、皆に愛されるかもしれない……エリオットもずっと傍にいてくれるかもしれない……そんな思いで胸がいっぱいだった。



「私たちはそろそろ失礼するよ」

「あら、もう帰ってしまうの?」

「また二人で顔を出すよ」

「今度ディナーにお誘いしても宜しいかしら?」

「ありがとうございます。 是非、ご一緒させて下さい」



ジュリアンナの返事に、クレアは嬉しそうに頬を緩めた。