† Lの呪縛 †

「兄さん、ノエルとオリヴィアにも彼女を紹介したいんだが、いいかな?」

「あぁ、勿論だとも」



ダグラスはワーグマンに二人を呼んでくるよう、申しつけた。


やっとオリヴィアをこの目で見られると、ジュリアンナは密かに待ちわびた。



「なんだか緊張してしまいますわ。 レッドフォード伯爵夫妻にお会い出来ただけではなく、ご子息とお嬢様にもお会い出来るだなんて……」

「ふふっ、そう緊張なさらないで。 ノエルもオリヴィアも優しい子なの。 きっとジュリアンナの事を快く迎えてくれるわ」



ジュリアンナはフワッと笑みを零した。


その笑みとは裏腹に、掌にはジワッと汗をかいている。


ーコンコンコン。


暫く話をしていると、ワーグマンが部屋に戻ってきた。



「失礼致します。 お二人をお連れ致しました」



ノエルに続き、オリヴィアが姿を現す。


ジュリアンナはオリヴィアに目を奪われ、視線をそらす事が出来なかった。


羨望の眼差しを向け、だが心の底では嫉妬した。



「二人ともかけなさい」



ノエルとオリヴィアは隣同士に座った。



「エリオット叔父様、先日はオリヴィアがお世話になりました」



ノエルはエリオットに丁寧に頭を下げた。