† Lの呪縛 †

「ネヴィル」



名を呼ぶと、何処からともなく悪魔ネヴィルが姿を現した。



「何用だ」

「これをどう思う。 お前の同業の仕業ではないのか」



ネヴィルは新聞を受け取り記事を読んだ。


読み終えると一瞬にして新聞を散り溶かしてしまった。



「どう思うも何も、実際みてみない事には私にも分からない」

「では調べてもらえないだろうか」

「オリヴィアとはなんの関係もない事だ。 私が調べる必要が何処にある」

「……念の為だ。 あの子に危害が及ばんとは言い切れんからな」

「ふんっ、まぁいい。 暇潰しくらいにはなるだろうからな」



そう言うとネヴィルはさっさと姿を消してしまった。


ダグラスは枕に背中を預け、目を瞑った。


ネヴィルの事は誰にも言っていない。


クレアには口が裂けても言えない。


自分の両親を惨殺した男がそばに居ると知れば、クレアは間違いなくその身を捨ててでも立ち向かうだろう。


何故次から次へと問題が起こるのかと、頭が痛くなるばかりだった。


家督を継ぐと決めた時から覚悟はしていた。


人よりも危険に身を晒し、精神的にも肉体的にも大きな負担を抱える覚悟。


全てを投げたしてしまいたくなる時もある。


だがその度に更に意志を固め前に進む。


それが出来るのは、愛する家族が居るからだ。