それだけ ~先生が好き~



手を差し出しても、城田は握ろうとしない。

もしかして・・・嫌だった?


「城田ぁ、握手やだ?」


城田は下を向いてこっちを見ようとしない。



城田に一歩近づいた瞬間・・・



ぎゅっ・・・って




抱きしめられた。




・・・え?




城田、何やってんの・・・?



城田の胸の中にすっぽりおさまる私は、身動きが取れない。



「城田??どうしたの・・・?」



城田の心臓の音が聞こえる。





「好きだ・・・今井が・・・好きなんだよ、俺」






やっと気づいた。



言われてから気づいた。




城田が男の子で、私が女の子で。





こういう感情を持つ事もあるってことを・・・。