なんだかもやもやしたまま。
けんかってほどじゃないけど、気まずい感じ。
やだな・・・
城田は前を向いて黒板を見てる。
いつもは後ろ向いてばっかで注意されまくってるのに。
やっぱ、謝ろう。
私の言い方よくなかったもん。
キーンコーン・・・
授業の終わりのチャイムが鳴り終わると共に、私は城田を呼んだ。
「城田・・・!ちょっと来て!!」
城田は、気まずそうに歩いてきた。
立ち上がるととても大きい身長。
先生と同じくらいあるかも・・・
って、そんなこと考えてる場合じゃない!!
私は一階の美術室前の廊下まで歩いた。
ここなら、人があんまり通らないから。
「あ・・・あの・・・さっきのことだけど・・・」
緊張して・・・城田の目が見れない。
言わなきゃ。
「ごめんね・・・あんな風に言うつもりなくて。ごめん!!」
勇気を出して、顔を上げた。
城田は、笑ってた。
「何?俺怒ってねぇよ!まぁ、さっきのはちょっと傷ついたけど」
ちょっとすねたフリをする城田。
「言いたくないこと無理やり言わせるつもりもねぇし!いいよ。これで仲直りってことで・・・!!」
ニカって歯を見せて笑う城田にほっとする。
よかった。
「うん!じゃぁ仲直りだね!はい・・・仲直りの握手しよ!!」
私はいつも、誰かと仲直りした後は握手をする。
つながった手から、お互いの気持ちが伝わるような気がするから。
だから・・・このときも特に意識なんかしてなかった。


