まだ夏休みが終わって1日目というのに、もう授業。
先生ももうどこかのクラスの授業してるかな??
「今井さん!次読んで~」
うわ・・・当てられた。
こういうときに限って聞いてなかった。
「え・・・っと」
どこだよぉ
わかんないってば。
「51ページの3行目から・・・」
右斜め前から、声がした。
そっちを見ると、城田が微笑んでた。
城田は・・・割と仲のいい男子。
前に、萌に「好きなんじゃない?」と勘違いされた人。
目でありがとうを言って、読み始める。
城田も珍しく前を向いて授業に聞き入る。
ありがとう・・・助かった。
このときはまだ気づかなかった。
私はいつも遅い。
気づいたときには、もう遅かった。
城田の中の特別な感情に・・・。


