それだけ ~先生が好き~




「ただいまぁ・・・」




誰もいるはずないけど、ただいまを言うのが癖になってた。


あ、そういえば・・・明日修学旅行の荷物、送るんだっけ。

用意してあるけど、まだバッグにつめてない。


昨日お母さん出しといてくれたかなぁ。



リビングに入ると、ひんやりした空気が私を包んだ。


外はめちゃくちゃ暑いのに。


「あ、あった」


イスの上に私の旅行バッグが出してあった。


お母さんがバッグ出しといてくれるだけでも、前ならありえなかった。



まだ、大丈夫。

まだ・・・壊れない。


そう自分に言い聞かせる。



先生のうさぎも、連れて行こう。



部屋に戻ろうとしたら、引き出しからはみ出ている紙が目についた。


・・・何これ?


いつもここちゃんとしまってるのに。



近寄って、ちゃんとしまっておこうとした。




そのとき




私の身体が、凍りついたように動かなくなった






何これ





嘘でしょ