それだけ ~先生が好き~



「はい、じゃあ、お疲れ様でした」


みんなの『終わったー!』って声が入り混じって、雄たけびににしか聞こえない。

先生はテストを持って教室を去って行っちゃった。



悠は机の上に座って伸びをしてる。



「あ~!疲れた。ゆきどうだった~?ゆきは頭良いから余裕かぁ」


「ん~・・・そうだったらどんなにいいか・・・」


「でももう終わっちゃったし~。あ、今日準備しなきゃ、修学旅行の!」


「しかも・・・それ終わったら体育祭だよ~。超ハードスケジュール」


「ね!どうすんよ、日焼けマックスじゃ~ん!あははははは」



行事がたくさん続くから、きっと先生は大変だよね。


今日、また会議があるって国語の先生言ってたもん。



またしばらく話せない。


大丈夫だって、思ってるけど・・・最近はあんまり大丈夫じゃない。


やっぱり、シアワセって長続きしないのかなぁ。



お父さん


お母さん



お母さんは、お父さんの悪口言ってばっかで、楽しいのかなぁ。



嫌味言ってばっかで・・・シアワセなのかなぁ・・・



夜は枕に顔を押し付けて・・・携帯の明かりをたよりに先生の手紙を読む。


うさぎのぬいぐるみを抱きしめるんだ。




悠には言えない。


迷惑かけたくない。


気を使わせたく・・・ないから。