体育館での授業が終わって、教室に戻る途中・・・



職員室から出てくる、先生と目が合った。


先生はいつものように笑ってくれた。


こういう瞬間が、いつもシアワセ。



「ちょっと、戻ってきたな。元気」



先生の言葉に、私は「え?」って聞き返す。



「だって朝、お前無表情で幽霊みたいに歩いてたんだもん、ははは」



悠は、「やっぱゆきいつでも寝てるんじゃない?」なんて言って笑ってる。


私は恥ずかしくて、ただ笑うことしか出来ない。


先生と、話せた。

今日は2回も・・・



それだけで、心があったかくなるんだぁ。



悠は、私のちょんまげをほどいて、ゴムを自分の腕につける。



「ゆきのちょんまげ新鮮だった~。明日もしなよ」


「え~・・・なんかおでこ寒い」


「じゃぁ、カイロ貼っときなよ!あはははは」


そんなやり取りを見ていた先生は、にやにやしてる。


「ほら、次の授業遅れるぞ!さっさと行け~」


だって、先生がいるんだもん。

離れたくないよ。


先生に背中を押されて、悠は「あ~!セクハラしてる!」って爆笑。


二人で教室まで走った。


お腹痛いほど、笑うなんて・・・本当にいつぶりだろ。



悠といると、笑わずいられないんだ。