それだけ ~先生が好き~



晴香からのメールは、いつもの3倍くらいに増えた気がする。


バレンタインに先生にチョコを渡したことも、もちろん知らされた。


毎日毎日・・・先生のHRは、すごく楽しいって。

先生の顔毎日見れるって。

時々見れる、怒った顔も、素敵だって・・・。


晴香の日記状態になったメールを読むたび、ため息が出る。


私、晴香のなんなんだろう。



本当に友達・・・?

なんて、考えるときもある。




体育の授業は、いつもより退屈。


だって、先生にドキドキする必要がなくなったから。



新しく友達になった、悠は、ぼーっとする私の目を覆って遊ぶ。


「おーい!どうしたぁ~!!ゆきぃ!寝るなよ!!」


悠は私の髪を結びだす。


前髪をちょんまげにされた私。



私は悠のこういうところがとても好き。



悠は、新学期初日に窓の外を眺めてばかりいた私に・・・話しかけてくれたんだ。



『何見てんの?ねぇ、名前なんていうの?あっちでみんなと話そうよ!超楽しいよ!』



そう言って、強引に私の腕をつかんでみんなの輪に入れた。


悠はいつもクラスの中心にいて、いつも笑ってて、素直で・・・



私とまったく、正反対。



そんな悠は、いつの間にか親友になってた。


悠も、私を親友だと言ってくれる。



二人で行動することも多くなった。