それだけ ~先生が好き~



お母さんは今日はゆっくり出勤するらしく、私にいってらっしゃいを言ってくれた。


お母さんの笑顔が見れた。


そのことを何より先生に伝えたかった。



右手に体操着を持って、家を出た。



体育の時間は泣かないようにしなくちゃ。



太陽がまぶしい。



今日から・・・また片思い。


片思いとは言わないかもしれない。



先生も私も・・・ちゃんと相手を想ってる。


だけど、もう隣にはいないから。






「よっ!おはよ。・・・その目どうした?」


城田に肩を叩かれて振り向いてから、自分の顔のひどさに気づいた。


「うん、おはよ。何でもないよ」


城田は不満そうな顔をしてるけど、話題を逸らしてくれた。


「あとちょっとで合唱祭だな!俺ら大丈夫かな~」


「え?合唱祭・・・そんなにすぐだっけ?」


「あと一週間ぐらいかな。頑張って歌おうな」



先生のクラスの歌はすごくいい曲。




合唱祭かぁ・・・。




先生のクラスの歌に、笑って拍手を送りたい。