それだけ ~先生が好き~




今日は昨日の雨とは比べものにならないほど晴れた。



一晩泣き通しの朝は最悪。



時計に目をやると、・・・7時43分。



そろそろ起きないとやばい。


足を引きずるようにして階段を下りた。


リビングには、電気がついてた。


誰かいるのかな。



こんな顔・・・見られたくないなぁ。


そう思って、洗面所に顔を洗いに行こうと方向を変えたら、リビングのドアが開いた。




開けたのは・・・お母さん。




「おはよう、どうしたの?ごはんできてるよ」



お母さんは私をリビングに入れた。



こんなことが今までずっと憧れていた。


お母さんと話すこと。


ごはんを作ってもらうこと。



・・・先生が背中を押してくれたから、憧れが現実になった。




「昨日から寝てないんでしょ?・・・泣いてたの?」


泣き声が聞こえてたのかな。


ううん、きっと聞こえていなくても私の顔を見ればわかるよね。


お母さんが心配してくれるなんて・・・夢の中で見る夢みたいなものだと思ってた。



嬉しい。