「レナのこと、どうだ?」


強く風が吹いた。


あぁ、いっそ今の風でアサが言った言葉も流れてしまえば良かった。


「最近はあんま一緒いなかったから、詳しくはわかんねぇ」


「そうか」


ゆっくり過ぎ去る景色を視界に入れても、通り過ぎていくだけで頭に入らない。


「サヨが言うには、精神的には安定してるらしい」


狂獣連合に入っている族は全て役割が決まっている。


俺の闇虎は主に奇襲が役目だが、今はもう一つあった。


「詳しく話せよ」


「わかってるよ」