けど、知ってしまった。


怖さを‥‥。


「ヒサさん‥‥‥‥ですか?」


「、」


小さく頷いた。


「そうですよね、誰でも想いを寄せてる人が血を流してたらトラウマになるですよ」


メガネを外したサヨさんの唇が緩く弧を描く。


『想いを寄せている』


その一言に一気に顔が熱くなった。


「ふふ、顔が赤いですよ」


か、顔が赤いっ!?


嘘っは、恥ずかし!