ミズキに関しては、頬を触られてビクッと動いたこと以外微動だにしなかった。


あたしは、ポカンとしたままただ上を見上げていた。


そして、あたしの視線に気づいたルイが少し驚いたような顔をしてゆっくり目線を合わせてくれる。


「レナちゃん、その指‥‥」


グッと、手首を掴んで近くまで引き寄せられたあたしの手。


「あぁ、コレ片付けようと思って手出したら、やっちゃった‥‥‥‥はは‥‥‥」


じっと、指を見つめて何も喋らなくなってしまったルイ。


「あ、いやでも大丈夫だよ?これくらい、舐めとけば‥‥」


すぐに治る、そう言おうとしたときあたしの指は、吸い込まれるようにルイの口の中へ。


「ちょっ、えぇ!?」


ちゅっと、軽く吸われてピリッと痛みが走った。


「ん、もう血は出ないね。だけど、一応サヨをあと呼ぼうね」