私が遥と仲直りしてから、約一週間がたった。
 私と遥はあの後いろいろ話し合って、冬馬くんのクラスに行って直接聞きに行くことにした。
 初めは遥も本当に行くの?って何回も聞いたりして中々行かなかったけど、今日やっと決心したみたい。
「彩香…。私、行くよ!よく考えたら、私には彩香がいるから大丈夫なんだよね。
  私と一緒にいてくれてあがとう。彩香」
『遥…』
「彩香、ほら、行こう?」
『…うん!』

 そうして私たちは冬馬くんのいる教室へと向かった。
 冬馬くんの教室は私たちのクラスと違って、結構離れたところにある。
 まぁ、離れてるって言っても、学校の中だからすぐそこなんだけどね。

『…いい?遥、開けるよ?』
 
 冬馬のクラスは結構たくさん怖いヤンキーとか、チャライ男子が集まってるって聞いた事があるんだよね。
 扉を開けた瞬間ザッ!っと睨まれたりして…。
 なぁんて事を考えてると、開けるのが怖くなってきた…。
 イヤイヤ…。ダメだダメだ!やっと遥が決心したんだから、私が無理って言ってちゃだめだよ!
 恐る恐る、扉に手を伸ばすと、ガラッ!突然扉が開いた。

『ひぃ!』
「……君は?」
『…へ?』

 だっ誰??この人…。っていうか…。

『…びっくりしたぁ…』
「えっ!?あぁ、驚かせちゃったかぁ。ごめんね!」

 なっ、何か…。ちゃらい。
 ごめんねって言った後に、テヘペロッなんて感じで舌を出してるこの人はいったい誰なんだろう…。イヤイヤ、この際そんな事どうでもいい。冬馬くんを探さなきゃ!

『あ、あの…。その教室に冬馬くんいますか?』
「…冬馬?」
『はい。えっと、沢渡冬馬っていうんですけど…。いますか?』
「冬馬かぁ。冬馬はいないよ。っていうか、休みだよ。冬馬に何か用?」

 え…。いないの?まじかぁ…。どうしよう…。この人、めっちゃ笑顔だし…。
 じゃあいいです。何て言いづらいよぉ。
 とかいって、どんな感じで説明したらいいかなんてわからないし…。
 困ったなぁ。

「あっあの…。えっと、冬馬くんがどうして休んでるか知ってますか?」

 遥…自分から聞くなんてめちゃくちゃ勇気振り絞ってるなぁ。
 顔がスッゴイ焦った感じだよ…。

「……さぁね。俺の口からは言えないや」
「どっどうしてですか!?」
「だって、そんなの個人情報じゃん?俺は君がどこの誰かも知らない。
  そんな君に俺の親友の個人情報を教えられるはずがない」

『あの…教えてください!お願いします!』
「…だからぁ、さっきも言ったじゃん?君たちが…」
「…女です…」
「え?」
「私は、冬馬くんの彼女です!教えてください!冬馬くんはどうして学校を休んでるんです   か!?」

 遥…。必死なんだね。ま、それほどに冬馬くんを思ってるって事か…。