もぅ中2かぁ…。早いなぁ。
 つい最近、1年の入学式があった。
 時がたつのは早い。
 自分達が入学してからもぅ1年たったんだ。
 …しかし、ホントに私の学年は仲が良い。
 こんなに仲の良い所めったにないぞっ!ってくらいに。
「こらー!彩香、何ボーっとしてんの?もっと話そうよ!」
 話しかけて来たのは、親友の山崎遥(ヤマザキハルカ)だった。
 
小学校からの親友だ。面倒見がよくて、顔が整っていて目もパッチリとしている。
 スタイルもいいから、すっごくカワイイのだ。

「何?」
 しまった。遥に見とれてた…。
『ううん。なんでもない!あはは…』
「ふ~ん…。なぁんか、怪しいぞぉ~?」
 遥はニヤニヤしながら顔を覗いてくる。
『なんでもないったら。遥がカワイイから、見とれてただけ!』
 すると遥は、は?って言うような顔をしていた。
「…にしてもさぁーホンッとこの学年仲良いよねー」
『そぅだね~。今時ないよ?上下関係的なのが生まれない学年』
「うん…。ほんとそうだよね…」
 うん。ほんとそうだよね。そう言った遥は少し寂しそうな顔をした。

キーンコーン…

『あ、チャイムなったよ』
 私の席の隣でイスを借りて座っていた遥は、自分の席に戻るのかと思えば私の腕を引っ張っって、屋上へと続いていく階段まで連れてきた。

『ねぇ、授業始まっちゃうよ?戻ろうよ』
 返事ナシって…。
 
 私は不思議に思って、どうしたの?と言って遥の顔を覗きこんだ。
 遥はすごい涙目になっていた。

『ちょっと!遥、どうしたの?何かあったの?』
 
 遥は泣きながらゆっくりと首を振った。

 変だな…。どうしたんだろう。今までこんなことなかったのに…。
『ねぇ、遥?最後までちゃんと聞くからさ。何があったか話してくれない?
  ゆっくりでいいから…』

 すると遥はゆっくりと話始めた。

「う…。あの…ひっく…私の彼氏の、冬馬くん…。知ってるでしょ?
  前に…紹介したよね…?」
 
 冬馬…冬馬?冬馬って、沢渡冬馬(サワタリトウマ)?
『冬馬って…沢渡冬馬のこと?』
 遥はゆっくりと頷いた。
『冬馬くんが…どうかしたの?』

「昨日…私が家にいるときに電話がかかってきたの。相手は冬馬くん…。
  電話の始終をはなすね。
  [もしもし。冬馬くん?電話かけてくるなんて珍しいね!どうしたの?]
  [あ…あぁ。遥、あのさ…突然なんだけど…。俺、遥にしばらく会わないことにする。]
  […え?どうしたの急に…なんで?なんかあったの?]
  […ごめん…事情は今度話すよ。また…電話する。]
  冬馬くんはそう言って、電話を切ったの。私…もう、突然すぎて…。」

 すると遥はまた泣きだした。

『それから、電話…かかってきてないの?』
「うん。」
『そっかぁ…。冬馬くん、どうしたんだろうね…。そんな急に』
「冬馬くん…他に好きな人ができたのかなあ…。だから、私の事はもういらないって事で電話してきたのかな…」
『っ!!そんな事ない!絶対に!』
 私は少し強い口調で言った。
 遥は驚いた顔をしている。
『冬馬くんは…そんなことしないでしょう?それは、彼女の遥が一番良く知ってる事じゃない!…大丈夫。遥のことをいらないなんて、思うはず無いよ!遥はカワイイし、冬馬くん一途じゃない。…もっと、自信をもとう?』
「…うん。そうだね。そうだよね…。ごめん彩香。私、冬馬くんを信じてるよ…。」
『うん!信じて電話を待とう!』
 
 よかった…。遥に元気が出て…。
 このまま何事もなく冬馬くんから電話がかかってきたらいいんだけど…。
 電話をかけて来て、また元通りのラブラブな2人に戻ってくれたらいいんだけど…。
 何か…嫌な予感っていうか、変な感じがする…。