護り人

「梨沙ー」

梨沙は先程見た黒装束を着た干からびた老婆に体を掴まれていた。

「トトちゃん助けてっ」

禮人に気付いた梨沙が叫ぶ。

「梨沙を放せ」

禮人は老婆に体当たりをした。

倒れた隙に梨沙の体を抱っこすると走った。


しばらく走ると二人の体が隠れる位の岩を見つけ、そこに隠れた。

禮人は息切れし、全身で息をしていた。

「トトちゃん。ありがとう助けに来てくれて。凄く嬉しいよ」

梨沙は泣きながら言うと、頼人に抱き付いた。

顔を赤らめる禮人。

「別にいいよ。みんな心配してるし、帰ろうか」


「うん」

二人は立ち上がったが、

頼人は進もうとしなかった。

「どうしたのトトちゃん」

「ごめん。どうやって帰るのか分からない」


長い沈黙のあと、

「トトちゃん。どうやってここまで来たの?」