護り人

巻物にはその方法らしき絵と文字が書いている。

禮人は一度上に上がってから再び戻ると、上半身裸になり、墨汁にひたした筆でお腹と床に字を書いた。

そして書いた字の上に仰向けで寝ると、数珠を持ち巻物に書かれている呪文を唱えた。

すると、深い睡魔に襲われたように、意識が遠退いていった。


禮人は目を覚ますとすぐに起き上がった。

すると、ピンクや白、黄色の花が一面に咲いていた。

「こ、ここが三途の川なのか?」

数分頭がぼーと、していたが、はっとしてすぐに梨沙の名前を叫びだした。

「梨沙、いたら返事してくれ、梨沙、梨沙」

ここにいるんだよな、梨沙。

禮人は無我夢中で走った。

しかし、どんなに走ってもどんなに叫んでも梨沙の姿は見えなかった。