梨沙の手術が終わってから一週間。

いまだにICUに入っていた。

ICUは身内以外入る事が出来ない。

禮人は廊下の窓から梨沙を見ることしか出来なかった。

その時、禮人は梨沙の声がしたような気がした。

「聞こえるわけないよな」
禮人は梨沙を見て呟いた。

自宅に帰り、炬燵に入る。

普段なら梨沙が来て一緒にお餅を食べてるはずだった。

「なぁ親父、梨沙の目を覚ます方法って無いのか?」

横でみかんを食べている作次郎に言った。

「あったらとっくに梨沙ちゃんに使ってるわ」

「だよね」

「こればかりは梨沙ちゃんの生命力しだいだ。信じて待とう」


禮人は作次郎の言葉を聞かずに何か無いか考えていた。

その日の夜。

禮人は奇妙な夢を見た。