あの双子が恋をした



高一の春。



入学式。



「大地~、早くして」


「うるせーな、日向。だったら先行けよ」


「ダメだって」



俺たち双子は今日から
桜ヶ丘高校に通う。



急げとうるさい、日向。




焦んなくても間に合うっつーの。




電車乗らなくても歩いて行ける
場所にあるんだし。



「大地~、日向待たせてるから
早くいきなさいよ」



母さんまでそんなこといいやがって。



「はいはい、わかりましたよー」



あー、入学式とかめんどくさ。