千万本のチューリップを君に捧げる


透のお墓参りのあと、奈緒はレポートづくりのため、図書館へ向かった。

中に入ると学生でごった返している。

「・・あった。」

目当ての本が見つかり、取ろうとする。そのとき、誰かもうひとつの手があった。

「あ・・」

その手は男の人だった。

「す、すみません!」

奈緒はすぐ本を渡した。

「お先にどうぞ!それじゃ・・。」

奈緒は走って図書館を出て行った。久々に走った気がする。

一方ひとり取り残された、男は・・。

「い、いいのかな・・。」

申し訳なさそうに、本を手に取り、行こうとした。すると、男は気づいた。

足元にハンカチが落ちている。

「nao onodera・・、ナオ オノデラ・・?」

拾ってみると、奈緒のハンカチだった。


      *        *       *

ありえない!マジでありえない!

奈緒はブツブツ独り言を言いながら、アパートへ向かっていた。

さっきの手・・大きかったな・・。あったかかった・・。

・・・ってなにいってんの!もう!あたしの変態・・。

そんなことを思っているうちにアパートについた。

「・・透の手もあったたかったな・・。」

奈緒は、ベッドに大の字に寝っ転がってふと考えた。

じわじわと涙が溢れてくる。今日が命日だからかな・・。


「会いたいよう。会いたいよお・・。」


泣きながらいつの間にか奈緒は寝ていた。