日が沈んでいる。あたりは燃える炎のようだ。
そんな中を突っ切るように一台の車が走っている。
「そこを右に曲がってください。」
助手席の奈緒が指示をだす。
そして、病院に着いた。
トントン
「お母さんはいるよ・・。」
「あら、奈緒!面会時間は・・・」
奈緒に続いて悟が入る。
「どなた・・・?まさか・・・悟くん?」
「美由紀さん・・・。」
「悟くん!」
二人は抱き合った。大泣きしていた。奈緒も泣いた。
「どうして、どうして・・・?」
「ごめんよ、ごめんよ?」
20年ぶりだった。やっと二人は再会したのだ。奈緒は病室から出て行った。
「・・・5年前妻が出て行ったんだ。離婚してくれって。」
「まあ・・・。そんなことが?」
「うん。ねえ美由紀さん。俺にもう一度あなたの人生をください。
そして約束の日にあの場所で結婚式をあげようよ!」
美由紀がためらった。
「だけど、わたし1ヶ月しか・・・・。」
「・・君の残りの人生を一緒に過ごしたいんだ!」