俺と父さんは母さんが眠っている墓の前に来ていた。
母さんの墓がある場所は丘の上で、早朝からここに来たのは、ここで初日の出を見るためだ。
俺と父さんと、母さんも一緒に。
よく見ると父さんも震えている。
たとえ何枚も服を着ていたとしても、寒さが二人をどんどん襲ってくる。
母さんは・・・寒くねーのかな。
「うーっ、あと少しってとこだな」
隣でカタカタと震えながら父さんが言う。
確かに向こうの山から暖かな光が見え始めていた。
少しドキドキする。
俺にとって初めての、初日の出。
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