俺の中の母さんとの思い出は、ほとんどない。 父さんもだけど、それ以上に記憶は曖昧で味気ない。 でも時々、本当に時々、母さんの夢を見る。 でも今日は今までで一番嬉しかった。 母さんが俺の頭を撫でてくれた。 今までは少し遠い距離で話をしてただけなのに。 『母さん、今日はなんで頭を撫でてくれるんだ?』 『そうしたくなったからよ?』 なんて言いながら優しく笑う。 『悠里』 『なに?』