「父さん」 「ん?」 「明日からは朝早くから俺を送って行かなくていいな」 「そうだな」 マンションが見つかって、今日引っ越してくるまで俺は毎朝悠里を学校まで送っていた。 朝五時には起こして、車で二時間かけて。 悠里は隣で寝ていたけど、俺は必死に眠気眼をこすって運転していた。 でも、それも明日からはない。 「朝練もしっかりできるな」 「うん。頑張るよ」