近藤家の墓、と書かれたそこに琴海は眠っている。
・・・もう八年。
時間はあっという間だ。
でもきっと、ある意味では俺も悠里にとっても長い八年間だった。
隣の悠里を見ていると、八年前を思い出す。
あの日もこうして俺の隣にいたのは悠里。
小さくて弱い手を握って二人で立っていたっけ。
悠里は目の前のこの光景が何なのかよくわかってなくて『これなに?』と俺に何度も聞いてきた。
そのたびに俺は『おうちなんだ』とだけ言っていた。
これは琴海の家なんだ、と。
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